こころドンマイDon't mind
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人と人として医者のことば
 医療は、サービス業と言われ、どこのサイトを見て回っても、
患者は、患者さま扱いだ。
この 『さま』には私は、違和感がある。
 さすがに、医師で、気味が悪いほどの 腰の低い人はいないけれど、
時々、怯えたような態度で、下から見上げるように物を言う関係者に
会うと、そんなことに気持ちを割かないで、もっと堂々としていてください
よと、言いたくなる。
 これは、患者さんにもそのまま同じことが言える。
 特に、年配の患者さん。
健康を損なっているのに、その上、人に必要以上に神経を使うことは
いらんのです。
 あなた方が、敗戦(こういうのを、終戦と言い換える人もいますが)
後の日本を、一生懸命立て直してくれたお陰で、今の日本がある
のですから。その恩返しを、若い世代、現役世代がさせてもらって
いるのですから、国のお世話になって申し訳ないなんてことを、
ことさら重く受け止めないでくださいね。
 どうしても、受けてばかりでは負担と思われる方は、早く元気に
なって笑顔で過ごしていただくよう、治療に専念してください。
 そして、偉い先生なのだからと、すべてを預けないで、ご自分の
体のことを、積極的に知るようにしてくださいね。
 加齢で出ている症状と、医学的な原因があって悪くなっている
場合があること、ちゃんとわかって治療をしてもらいましょう。
 逆に、何でも 甘えてお願いする傾向の患者さん。
確かに、近頃の病院は、評価を気にするあまり、患者の言動に
ビクビク感は、否めません。それを、逆手にとって、ワガママは
結局、自分のためになりません。情けは人のためならずの
逆です。
 どんなに、設備が整い、スタッフが過不足なくいても、大切
なのは、相手を思いやる気持ちだと私は思います。
 有名な病院、有名な医師だからと言って、丸投げは
どうでしょう。信頼するということと、自分は責任を負わない
は別です。自分の命は、自分でも守りましょう。
 医療者と、患者自身、家族、みんなで治療に向かうのです。
 現場は、忙しい。生身の人間たちが、蠢いています。
要求ばかりを、かざさないで、感謝の気持ちを持ちましょう。
 双方向で、相手のことを考える、想像する、理解しようとする
ことをしていけば、患者と医療者の壁は、薄くなり、やがては
人と人として向き合い、共に 医療に貢献できるようになると
思います。
 ある著名な作家さんが、長い闘病生活を嘆いて、私には学歴
よりも、病歴の方がたくさんあるのです、と、言われました。
 それを受けて、哲学者の鶴見俊輔氏は、それは大切な時間を
過ごされました。病の間、しっかりとご自分の内側を見つめて
こられたのです。
 病には、好むと好まざるとに関わらず、受け入れなければ
ならないものがあります。
 病が、やってきたら、静かに向き合えるか?今の私には
自信がありません。きっと交戦はするでしょうけれど。
2006/3/22 記